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赤松先生の不定期連載

テニスと病気のコラム

松戸テニスクラブ提携のあおばファミリークリニックの赤松先生がテニスを病気をテーマにコラムを連載。健康に関する相談にお答えします。
     
 あおばファミリークリニック
埼玉県三郷市戸ヶ崎2-286-1
TEL:048-955-8621
日曜・休日休診

2015年7月のコラム


7月28日 若者の怪我

怪我はお年寄りばかりの話ではありません。若者はスポーツでの怪我も多いのですが、ちょっとしたことでの怪我もかなりあります。不治の病気の患者ばかりの内科病棟と違って整形外科が明るい病棟なのは、治る病気という理由だけでなく、若者が多く入院しているからです。特に骨折で入院になる若者が多いのです。あおばでは入院設備はなく専門病院ほど患者数はありませんが、骨折や靭帯損傷の若者も多数みてきました。子供の通っている保育園の綱引きで膝の前十字靭帯を切ってしまったお父さんがいました。当院のスタッフもバレーボールで同様に靭帯を切ってしまい手術を受けました。テニスクラブのスタッフも雨上がりの階段ですべって怪我をして危うく入院しそうになりました。10年以上も前のことですが、私も自分の子供の幼稚園の運動会で狭い園庭を走ってころびそうになり危ない思いをしました。それ以来は小学校などで行われる父兄参加の行事には一切出ないことにしました。通常の駅の階段の上り下りも、昔は一段飛ばしを平気でしていましたが、今では上りはゆっくり、下りでは一歩一歩踏みしめて進んでいます。若い方では私ほどの注意は必要ありませんが、段差など含めて十分に気を付けるという意識は持っておいた方が良いと考えます。

2015年2月のコラム


2月3日 今シーズンのインフルエンザの流行状況

インフルエンザの広がりが治まりません。昨年12月からインフルエンザ香港A型が出始めて年末年始で一時的に流行がおさまっていましたが、学校が始まって2週目になりインフルエンザがあっという間に子供達の間で広がっています。昨年はインフルエンザA型よりもB型が優勢で2月がインフルエンザ発生のピークでした。今シーズンは強力な香港A型感染者が12月も多かったのですが1月になってさらに増えており、2月に入っても流行が衰えない状況です。1人がかかって家族全員に広がったところも多数みかけます。また予防注射を受けているにもかかわらず、感染してしまっている方も目につきます。テニスクラブ関連でもすでにインフルエンザにかかってしまったという話を聞いています。これからはインフルエンザB型も出てくることでしょうし、当分はインフルエンザ感染に悩まされるものと考えます。

2014年4月のコラム


4月10日 花見と医療制度

4月も2週目になり桜が散ってきています。急にあたたかくなった影響で3月末から桜があっという間に満開になりました。私はランニングがてら水元公園の桜の花見をしました。本来ならばクリニックのスタッフと一緒に花見をしたいところですが、月初めはレセプト確認作業で、クリニックとしては大変に忙しい1週間となります。レセプトとは患者さん一人一人の1か月間の診療内容をまとめたものであり、1か月間が終わってからチェックをすることになるので、どうしても確認作業は月初めになってしまいます。3月は予想外のインフルエンザB型大流行でレセプト件数が増えて、4月初めはそのチェックで日々が過ぎてしまったようです。月初めがレセプト確認作業で忙しいのは現在の医療制度の問題です。我々医療機関が花見を楽しめるようになるためには、レセプト確認作業を月初めからはずすように医療制度を改革してもらうか、桜が満開になる時期がずれるような植木管理をしてもらうしかなさそうです。 

2014年1月のコラム


1月27日 インフルエンザ診療における問題点と対策

インフルエンザ大流行です。微熱でもインフルエンザにかかっている場合があるのでご注意下さい。「インフルエンザ流行期に解熱作用のある風邪薬を飲んで熱があることをごまかしている者が周囲にインフルエンザを広げている可能性がある」という記事が先日出ていました。高熱の方は自分でインフルエンザかなと思って来院しますが、微熱しかない方はただの風邪と考えて軽い気持ちでクリニックを受診し、インフルエンザ検査陽性となり、「インフルエンザです」と言われて大変な驚き様をされることがあります。また逆に「インフルエンザが流行っているので試しにインフルエンザ検査をしておきましょう」と医師から話してインフルエンザ検査を行い、実際にインフルエンザ陽性反応が出て、こんな症状でもインフルエンザなんだと医療者側が驚くことがあります。このように熱がほとんど出ていない方でもインフルエンザにかかっている場合があり、ただの風邪と考えて通常に仕事をしていたり、周りの方と通常に接したりしてインフルエンザを周りにうつしてしまったり、クリニック来院でも待合室で待っている間に隣にすわっていた患者さんにインフルエンザをうつしてしまう心配があるのです。当院では微熱程度の方でも待合室ではなく個室や処置室に移して一般診療の方との接触を避けるように神経を使って毎日の診療に当たっています。インフルエンザと診断された方は、一般診療の方が行く薬局には行かないですむように、来院した車の中やクリニックの個室で待機してもらって、薬局から薬を届けてもらうように手配しています。インフルエンザにかかった方が一般診療の方にインフルエンザをうつさないですむように、一般診療の方も流行しているインフルエンザにかからないようにすむように、当院では最大限の工夫をこらしていますので、安心して受診して下さい。 

2013年2月のコラム


11月23日 肺炎ワクチン

「肺炎は日本人の死因の第3位。肺炎はもう他人事ではありません。65歳を過ぎたら肺炎予防にワクチンを打ちましょう。」という宣伝が新聞などに出ています。一面全部の広告なので、呼吸器を専門にしている私以外の一般の方でも目にして、なるほどワクチンを打っておこうと思うかもしれません。三郷市では75歳以上の高齢の方を対象に、4000円の補助を出すことでワクチン接種を推奨しており、私のクリニックでも多数の患者さんに注射を行っています。乳幼児定期予防接種のように、ほぼ全額補助が出る制度は大変に有難いものです。しかしこの肺炎ワクチンに関しては、三郷市では75歳以上に限定されていますし、高齢者でも補助が出ていない市町村も多く、75歳未満では完全な自費になってしまいます。当院では自費であっても7350円と割安な値段設定にしており、注射を1回打てば5年間は効果が保証されるという安心感はありますが、費用負担はバカになりません。一律に肺炎といっても様々な原因菌があり、肺炎ワクチンで予防できるものは肺炎球菌という一部のものだけです。最近散発的に流行を繰り返し、若い方でも重症化することがあるマイコプラズマ肺炎は全く別の菌種によるものです。新聞広告を見て、心配だからワクチンを打ちたいという65歳前後の方から相談を受ける件数が最近増えています。しかし前述の通り、日頃風邪も引かないような元気な方が肺炎に突然かかることは通常ありませんので、ワクチン接種をあせる必要はありません。しかし以前に結核にかかったり、肺気腫などで肺機能が落ちているような方は、65歳になったばかりでもワクチン接種を受けておいた方が良いかもしれません。このような方でもワクチン接種を受けたからといっても安心はできません。注射は肺炎予防だけであって、他の病気には対応していません。規則正しい生活を送って、風邪も引かないように気を付けるという日常の行動、および何かおかしいと思ったら早めにかかりつけ医を受診するという意識が大切と考えます。

2013年5月のコラム


5月27日 風疹注射のすすめ

都内で患者数が一番多いのですが、千葉県を含めた首都圏で風疹が大流行です。2013年4月末までの累計で全国の患者数は5442例になり、既に昨年1年間の患者数(2392例)の2倍を超えています。流行の主体は20~40歳代の成人男性です。その多くが風疹ワクチンの定期接種を受ける機会のなかった世代です。当院でも昨年は1人だけでしたが、本年は既に4人も風疹患者を診ています。風疹は「3日はしか」とも言われ、高熱で死亡例も出る麻疹に似て、熱発と発疹をおこしますが、数日で改善して重症化することはまずありません。ところが妊娠した女性に感染をおこすと、難聴や心臓病を持った子供が生まれてくることが大問題になるのです。この先天性風疹症候群が起きないようにするためには、全ての妊娠予定の女性が風疹に対する免疫を持たなければなりませんし、パートナーとなる男性も風疹にかからないようにしなければなりません。テニスクラブのように、多くの20~40歳代の若者が集まる場所でも、風疹の感染があり得ることを考えておかなければなりません。現実的に流行がおさまらず、仕事先含めて、どこでうつされるかわからない今の様子では、風疹にかからないようにするためには予防注射を受けておくしかありません。しかし風疹単独の予防注射が足りず、当院では定期接種にも使われている麻疹と混合のMRワクチンを使用しています。ワクチン自体の値段は高めですが、インフルエンザ予防注射と同様に、当院ではなるべく多くの方に注射を受けて頂くために、納入価に近い値段設定にしています。本来は採血をして自然免疫ができているかどうかを調べて、抗体価が低い場合に予防注射を打つのが良いのですが、前述した20~40歳代男性ではほぼ免疫がないことがわかっていますので、採血を省いて注射を受ける方が早いと考えられます。どうか風疹感染を心配される方は、早めに注射を打つことをおすすめします。

2013年5月のコラム


5月7日 2013年 ゴールデンウィーク考

今年もゴールデンウィーク(GW)が終わりました。大手の会社や工場は10連休とのこと。医療関係で救急対応のある病院以外では、医院やクリニックにおいては長期の休みをとっているところもあるようです。当クリニックではハッピーマンデイは必ず診療して、調子の悪い患者さんを置き去りにしてしまうような連休はなるべくとらないような体制をモットーとしています。今回のGWも5月3日~5日が唯一の休みでした。私個人はもちろんですが、スタッフにも頑張って出勤してもらっている現状です。昨年もGWについて同様の考察をしましたが、今回は新たな意見を出そうと考えます。10連休というと、月の3分の一を日本人の多数の方が仕事をしないで休んでいるという計算になります。アベノミクスで景気は上向きとはいうものの、一般社会では仕事がなく不況続きとの実感であり、そんな状況の中で、10連休も休みをとって仕事を中断してしまって良いのかという懸念がわいてきます。国が連休にして、観光などにお金を回すように仕向けているので仕方ないのですが、日本人が休んでいる間に、海外では通常に仕事をこなして本来は日本人が行う仕事を横取りしてしまっているのではないでしょうか!?ネットで大型連休の功罪について調べると、連休で十分に休めるという肯定的な意見も多数ありました。しかし私は以下の投書には大いに共感を覚えました。「日本人は働きすぎだと言われ週休2日にして、さらに大型連休もつくって休みを多くした結果が、必死に働くことを忘れ、旅行で遊びまくり、国力も落ちぶれた今の状態です。途上国が日本に追いつけ追い越せと頑張っている時に、のんきに休むことばかり考えていたら、途上国に一気に追い越されるのは当たり前です。世界を相手にするつもりで働くことこそ今大切なのではないでしょうか」。私は仕事没頭タイプなので、この意見には賛成ですが、今の若者が重労働を嫌って休みをとりたがる傾向にあるのは時代の流れで仕方ないことと考えます。もちろん仕事をすることは大事ですが、仕事一辺倒では生活リズムが崩れ、問題になっているメタボリックシンドロームに陥ってしまいます。メタボと判定された人は、異常がなかった人と比べて医療費が平均で年9万円高くなったとデータで出ています。連休では子供達の野球やサッカー観戦に出かけて楽しむのも1つの方法です。しかし、メタボになりかけているお父さん(お母さんも!)。GWは終わってしまいましたが、今後はせっかくの休みを自分の運動にも当てて下さいね。」

2013年2月のコラム


2月16日 インフルエンザ患者さんへのあおばでの投薬の工夫

インフルエンザが大流行です。1月末の時点で昨年のインフルエンザ罹患総数を上回っているというデータも出ています。クリニックでもスタッフが一人インフルエンザにかかってしまいました。インフルエンザの予防注射はしていますが、それでも罹患してしまうほど、今年のインフルエンザの感染力は強いようです。クリニックとしてはきちんと診断して処方することを大前提にしていますが、インフルエンザが強く疑われるけれども検査で陽性とならない場合と、インフルエンザと診断されてしまった方にどのように薬を渡すかが大きな問題となっています。幸いクリニックには広い処置室、感染症隔離室と広い駐車場のスペースがありますので、高血圧や風邪などの一般的な患者さんとは接しないようなシステムをとれています。受付で必ず熱があるかきいて、熱があればすぐに個室などに案内しているため、待合室にインフルエンザの患者さんがいることがないように、一般的な病気の患者さんと接することがないように気を配っています。この時期は子供は熱発してもインフルエンザとは限らないため、インフルエンザ検査陰性では再診することが多いのですが、大人が熱発で来院した場合はまずインフルエンザの可能性が高いため、インフルエンザ検査が陰性であっても、患者さんと相談してタミフルなどの抗インフルエンザ薬を出すことはあり得ます。体調が思わしくないインフルエンザ罹患者には、1回投与ですむラピアクタという抗インフルエンザ薬の点滴もありますので、インフルエンザ治療の選択肢は広がっています。またインフルエンザ罹患者への薬の出し方の工夫としては、高血圧や風邪などの一般的な患者さんが薬局でインフルエンザ罹患者からウィルスをうつされないように、インフルエンザの方が薬局に行かないですむ方法をとっています。つまりインフルエンザと診断された患者さんは、クリニックの個室または個室に準じたスペースで、あるいは待機している車の中で、薬局のスタッフが投薬指導に来るのを待ちます。ここまで対策をたてているクリニックは他にはないのではないかと考えます。いつもの高血圧の薬のことで病院に行ったら、隣にすわっていたインフルエンザの患者さんにウィルスをうつされてしまったというようなことが、当院ではまず起こりえませんので、インフルエンザ流行時でも安心して外来にお越し下さい。

2012年5月のコラム


5月4日 ゴールデンウィーク考

また今年もゴールデンウィーク(GW)の季節がやってきました。以前は泊りがけで出かけて、あまりの大混雑にもうこりごりと思ったこともありましたが、クリニックを開いてからは休日診療をするという理由もあるため「自宅でのんびり派」として過ごしています。

先日の朝日新聞にGWで「出かける予定である」人は3割未満、お出かけ先のトップも「日帰りレジャー」というアンケート結果がのっていました。逆に「出かける予定がない」人は4割を超え、出かけない理由として「混雑」「旅費の高さ」をあげていました。せっかくの休みをとって出かけているのに、大渋滞の高速道や満杯の新幹線などの様子を見るたびに、事故がおきたら大惨事だな、疲れで倒れる人もいるだろうなと心配になってしまいます。事故や病気になってしまっては何のための休みかわからなくなってしまいます。休暇をとることは人体の生理学的には重要ですが、全国いっせいに休暇になるGWは廃止して、同じ日数分の休みを分散させようという考え方も出てきています。

国が新たな方向性を打ち出すまでは、GWは「日頃できないことをじっくり行う」週間にしています。GW中は例年必ず雨が降り、特に今年は列島全体を巻き込んだ大雨になりニュースを騒がせましたが、「自宅でのんびり派」にとっては臨機応変に対応できるものであっただろうと考えます。新入の学生や社会人が突然の無気力に陥る「五月病」もGW明けからおこるため、GWを含めて今後の休暇のとり方について意識変革が必要なようです

2012年4月のコラム


4月23日 メンタルケアについて

現代のストレス社会では仕事や人間関係の軋轢から精神的に参ってしまって病気になる方が増えています。

若い方では人混みに入りたくない、電車に乗れないなどの症状のパニック障害をかなりみかけます。過呼吸になって倒れてしまう過換気症候群も多く、水泳の萩原智子さんがこの症状で水泳の代表を逃してしまった話は有名です。パニック障害では若い頃に発症して中年以降も症状が続く方もいます。この症状では仕事に行きたくても動けなくなってしまうことが問題です。

次に中年の働き盛りに何事にもやる気が出ない、食欲も落ちているなど様々な症状が出るうつ状態、進んでしまったものではうつ病になる方がいます。不眠からこのような症状に進むこともあります。根底には仕事や人間関係のストレスが原因になることがほとんどです。うつ病発症で仕事から長期に離脱することは、本人だけでなく、社会にとっても大きな損失です。

また最も頻度が高いものが、寝つきが悪い、途中で目がさめてしまう、寝つきも悪く早くに目がさめてしまうなど様々な症状をもつ不眠症です。コンビニが24時間あいていて、テレビでも深夜放送をする不夜城の日本では、夜も活動性が上がって不眠症になってしまうことは仕方ないことなのかもしれません。寝酒に頼ってしまう方もいますが、良好な睡眠状態を保つためには、飲酒は本来は逆効果になってしまうことがあります。散歩などの適度な運動をして、お風呂にゆっくり入って、ストレッチやマッサージをするだけでも眠れるようになるものですが、そこまで余裕がない方が多いようです。

以上の病気は環境を変えたりすることで改善することもありますが、病状が悪化して社会問題をおこしそうな場合には適切な治療が必要です。クリニックでは患者さんの社会的背景にも配慮しながら薬をお出しします。

2011年6月のコラム


6月29日 アルコール性肝障害

久しぶりの医療記事更新です。暑くなってきましたので、昨年度の熱中症の記事と合わせてお読み下さい。世の中に大酒のみは多数います。しかし肝機能が悪くなるのは、その中の一部です(ヘビースモーカーが全員肺癌になるわけではないのと同様)。しかしお酒の弊害は肝機能が悪くなるだけではありません。酒に酔って周囲の方、特に家族に迷惑をかけることがある、それも何度も繰り返すことが問題になります。日頃はおだやかな人柄なのに酒をのむと大暴れしたり、フラフラになって転倒して頭や足に大怪我をして救急病院にかかって傷を縫うことまであります。うさを晴らすという言葉の通り、日頃の思い(うっぷん)を酒をのむことによって発散するのでしょうが、これでは周囲の者がたまりません。こんな状況がひどい場合は専門の病院に入院して長期的に断酒し、アルコールから完全に離脱を目指します。しかし入院のつらい思いまでしても、再び酒に手を出して元に戻ってしまうのがアルコール中毒の問題なのです。この様な方で肝機能が悪い場合には、当院では少なくとも週1回は受診して頂き、肝保護剤の点滴を行っています。医師が病状をチェックして看護士が点滴をし、さらに受付のスタッフと言葉をかわすことで、「自分は治療を受けているのだ」という自覚が生まれて、お酒をセーブすることができるようになります。受診期間があいてしまった場合にはクリニックから電話をして様子を確認し、再度の受診を促して元のペースに戻します。 テニスをされている方は皆さん自己管理をきちんとしているので、このようなことは起きないでしょうが、周囲にこのようなことで困っている方がいれば、ご相談下さい。               
  


2010年7月のコラム


7月28日 熱中症

いよいよ猛暑が始まりました。一昨年は熊谷市で40.9度まで上がり全国で猛暑が続きました。猛暑といえば熱中症です。アスファルトの道路が増えるなどのヒートアイランド化の影響で1994年から熱中症が急増しており、暑さに弱い高齢人口の増加で特にお年寄りに多く発生しています。乳幼児では車の中に放置されるなどの事故、若年者ではほとんどがスポーツでおこり、成人では工事現場などの仕事中やスポーツでおこることが多いようです。埼玉県では梅雨明け翌日の7月18日以降に熱中症で死亡した人は24日までに少なくとも30人であり、うち22人が65歳以上の高齢者でした。症状としてはめまい・立ちくらみなどの軽いものから、足・腹筋のけいれんや、頭痛・吐き気・判断力低下などの中くらいの病状のもの、さらに呼びかけても返事がない意識障害や過呼吸をおこす重症の熱射病まで様々です。梅雨明けの蒸し暑い日など、まだ体が暑さに適応できていない時期はおこりやすいものです。まずは予防が大切です。炎天下や暑い室内に長時間さらされないようにする。水分を適切に補給する。かさや帽子で直射日光を避ける、こまめに日陰で休むなど気をつけます。大量に汗をかく場合には塩分補給も重要です。熱中症にかかったら適切な処置をしないと命にかかわります。まずは次のような応急処置をします。

・涼しい場所へ運んで休ませる(風通しの良い日陰やクーラーの効いた室内など、本人が楽な姿勢で)

・水分補給(吐き気がない場合、少しずつ何回にも分けて)

・塩分も補給(水1リットルに塩1~2gをまぜた0.1~0.2%の食塩水または塩分を含むスポーツドリンクで)

・体を冷やす(顔や体にぬれタオルをあてたり水をかける、うちわなどであおいで風を送る、氷やアイスパックで冷やす)

・筋肉のけいれんではマッサージ

応急処置で回復しない場合や最初から病状が重い場合にはいち早く医療機関に運ぶことが必要です。救急車を呼ぶこともありますが、その間も応急処置を続けます。医療機関ではすぐに点滴をすることになりますが、大部分はそれだけで回復します。私は暑い日中でもランニングをしたりしますが、自分が倒れないように十分に注意はしています。 また、午後から夕方にかけて外で遊んだ(暑い室内でも同様)あとの夕方や夜に熱を出して、翌日にクリニックを受診されることがあります。咳などの症状もなく、かぜ?・寝冷え?と考えますが、その中にはこの病気も含まれることがあります。    


2010年5月のコラム


5月1日 感染症に対する免疫

久しぶりの「病気のお話」です。今回は感染症に対する免疫のことについてお話します。私は大人になってから水ぼうそう(水痘)にかかりました。通常は子供の頃に周りで流行る病気ですから友達・兄弟からうつって、大なり小なりのブツブツ(水泡を伴う発疹)ができて、それがかさぶた(痂皮)になって治ります。私は医者になりたての秋に担当だった末期癌の患者さんの帯状疱疹(水痘のウイルスは必ず体内に残っており体力が落ちた時にブツブツとして出てきます)がうつって、水ぼうそうの初発感染として発症したのです。つまり子供の時に水ぼうそうにかかっていなかったために、患者さんからうつってしまったということです。大人がかかる水ぼうそうは大変に重症で、熱発が続き痒みがひどく、強力な痒み止めで1週間は自宅安静の寝たきり状態でした。もう20年以上前の私の研修医時代の出来事です。当時は抗ウイルス薬もなかったので回復には時間がかかりました。大学での研修が終わり次の病院にうつる時期と重なったため、ブツブツやかさぶたがとれてきれいになるまで2週間も病院を休みましたが、仕事が遅れてしまうというあせりを感じた程です。大人になってから水ぼうそうにかかるなんて、子供の頃に純粋培養で育ってしまったのでしょうか。一人っ子なので仕方ないこととは思います。こういう点からは兄弟がいて、病状が軽くすむ子供のうちにお互いに病気をうつしあいっこするのが得策でしょう。もちろん水ぼうそうも予防接種があり、注射しておけばかかったとしてもブツブツがひどくなることや痒みからものがれることはできます。しかし、この予防注射ははしかなどの強制接種と違って任意接種ですから自費になります。経験として、こんな病気にかかったよというのも悪くはないかもしれませんが。 私にはもう一つ、病気の免疫がなくて問題になったものがあります。感染症としては恐い病気とされているはしか(麻疹)です。3年前に大学生が次々とかかって社会問題となったはしか騒ぎの時に親に問い合わせて、はしかの予防接種はしていないが軽いはしかにかかった記憶があると返事でした。心配になって採血して麻疹抗体の有無を調べたところ陰性とのことで、はしかへの抵抗力(免疫)がないとの結果でした。その結果をみてもすぐに免疫をつけなければならないという発想には至らず、日々の診療に忙殺されてはしかの予防注射は受けずにいました。ところがはしか騒ぎが社会問題になるような状況ですから、その火の粉が自分にも降りかかりました。なんとはしかの患者さんを同じ日に2人もみることになってしまい、その日にあわててはしかワクチンを自分で注射しました。はしかは潜伏期間が2週間であり、ワクチンに反応して抗体ができるのも10日から2週間とのことで、病気が勝つかワクチンが間に合うかのミクロの闘いでしたが、発症せずに仕事をそのまま続けられました。ワクチンの効果が病気に打ち勝ったようです。今では1歳児と小学校入学前の2回、はしかワクチンの強制接種の制度が確立しましたし、この時期を過ぎてワクチンを注射していない場合は中学1年生・高校3年生でワクチン接種を受けることになっており、大学入学時も麻疹抗体の有無をチェック(医師・看護士などの医療系大学でははしかだけでなく水ぼうそうなどの感染症に対する免疫の有無を全て確認)しますので、最近ははしか騒ぎは下火になっています。自分の病気の様子を知らなかったというのもお粗末(特に医者という職業にありながらです)ですが、世の中の大部分の方は日常の忙しさにかまけて同じような現状と思います。このようなエピソードをお読みなった方は、是非とも子供の頃に予防接種をきちんと受けているか、それとも実際にその病気にかかったかどうかを確かめられることをおすすめします。疑問点があればいつでもお答えしますので、テニスクラブを通じてでもご連絡下さい。


2009年9月のコラム


9月30日 新型インフルエンザ対策の懸念

新型インフルエンザが学級閉鎖や休校をおこして猛威をふるっています。重症化しやすいなどの報道もあり、心配になってクリニックを訪れる患者さんから新型のワクチンは打てるのかという質問を受ける頻度が増えています。 まだ国内では新型インフルエンザに対するワクチンは試験的投与が始まったばかりですが、海外で既に作られたワクチンを輸入する方向性はできているようです。しかし先日、ワクチン接種の優先順位が発表されました。多数のインフルエンザ患者さんをみて殉職?する可能性のある医療従事者(医師・看護士をさすとのこと)100万人が第1であり、2番目が妊娠と持病がある人とのこと。医療従事者とはどこまでを含めるのか(受付などの事務職は入れないらしいが)、持病がある人とはどこまでの病気をさすのか(病気も軽いものから重いものまで様々である)、統制をとるためとはいえ、この発表はあまりにも唐突過ぎる感があります。 本来ならば受ける自由があるはずのワクチンを受ける優先順位が国からのお達しで決められて、受けたいのに受けられない人が出て実際にインフルエンザに感染してしまったりする可能性があるのは、国の方針が最初からまちがっていたからです。簡単にインフルエンザ患者がすり抜けてしまう成田空港での水際作戦を大騒ぎしながらいつまでも続けたり、新型インフルエンザの診察は最初は大きい病院の発熱外来に限定するなんて言いながら結局はクリニック含めてどこでも受けられるようにしなさいと方針を変えたり、病気の出始めは保健所への報告が必要などと言いながら患者さんが増えるともう不要と発言をひるがえしたりなど、インフルエンザの専門家をかかえている国が決めている割には方針がコロコロ変わる、要するに長期ビジョンがないのです。 私は新型インフルエンザはあっという間に広がる、対処も今までの季節性インフルエンザと同じで構わないとずっと思っていました。5月にインフルエンザA型(恐らく新型)の患者さんをみても特に保健所への報告はしませんでした。報告自体は煩雑であり、報告しても何の意味もないと考えたからです。同じような医師は他にたくさんいたはずです。国が決める方針にはある程度沿いながらも、患者さんの利便性の視点にたって、その時の最良の方法を常に模索するべきと考えています。


2008年9月のコラム


9月29日 日本のメタボ、アメリカのメタボ

8月末に久しぶりの休暇でアメリカ(北米)東海岸に行ってきました。北米に限らず南米・ロシア・アラブ諸国など海外でテレビにうつる太っている人々は目立ちますし(一部にアジアやアフリカの病気でやせ細った子供達も時々うつりますが)、今回もかなり目につきました。その中でもマクドナルドに代表されるハンバーガー・コカコーラ・フライドポテトの3種の神器のそろったアメリカは太った人が最も多い国であり、これが社会問題となっています。アメリカ滞在中はニューヨークのセントラルパークを毎日ランニングしましたが、ランニングやウォーキングしている人は全体から考えるとほんの一部で、知識人で健康への意識が高いような人ばかりであり、その反対にずっとベンチにすわっていたり(からだが動かせなくて)、電動車いすに乗った病的な肥満の人を多数見かけたのは驚きでした。なぜここまで太れるのか、そのような人達の一日の生活に同行してみたいものです。最近の日本でのベストセラーの堤未果が書いた「貧困大国アメリカ」(クリニックにも本が置いてあります)に、アメリカでは貧困層ほど太っているとのことであり、この階層の人達にはマカロニ・チーズや冷凍物などのインスタント食品がつまったセットがもらえる無料の食料券が配られ、それを食べて太ってしまうと指摘されており、大いに参考になりました。アメリカでは肥満いわゆるメタボリックシンドローム(略してメタボ)の人が社会にあふれかえっているわけです。それに比べて日本では太っているなと外見上思える人はまだ少数で、程度もアメリカ人よりずっと軽いものです。運動をしない人は日本でも多いので、やはりアメリカと日本の違いは食生活でしょう。アメリカで食事をすると本当に数日で飽きてしまうというか、油の多い料理が嫌になります。そうなるとわざわざ値段の高い和食を食べることになってしまうのですが、やはり和食はほっとします。日本人には魚を中心とした和食があるからアメリカ人とは違う体型でいられるのだなと実感します。日本では本年からメタボ健診といわれる特定健診が国の主導で始まり、メタボメタボの連呼でうるさいぐらいです。しかしアメリカと比べたら、このメタボで引っかかる人は少数です。皆様ご安心下さい。和食を捨てない限り、日本がアメリカ化することはないでしょう。しかし最近は新たな問題も発生しています。魚料理の効用に気づいた他の国々が自分達で魚を食べ始めて日本への魚の輸入を制限しているのです。健康に気を使う日本の庶民としては、まぐろなどのおいしい魚が食卓から消えないように祈るばかりです。


2008年7月のコラム


7月28日 タバコをやめよう

タバコが1箱1000円になったら吸うのをやめますか?タバコを値上げしたら、今吸っている人が急には禁煙しないだろうから高いタバコを吸い続けて一時的にはタバコ税の徴収も増えるが、高いタバコに嫌気がさして禁煙者が増えると将来的には税収が減って国の予算が足りなくなって困るなどと、国は皆さんの健康ではなくお金(税金をとること)のことしか頭にありません。1箱が1000円になるまで待つよりも先を見越して早速タバコと縁を切りましょう。今までは禁煙というと市販のニコチンガムをかむか、ニコチンパッチをからだにはるか(パッチは今までは医療機関でしか処方できませんでしたが少なめの量の設定で市販のものが出ました)の方法しかありませんでした。しかし、この5月から飲み薬で禁煙できる方法が生まれました。この飲み薬はニコチンの代用薬ではないため、薬をのみながらでもタバコが吸えるというものです(パッチはニコチンが多量に含まれておりパッチをはった状態でタバコを吸うとニコチンが体内に過量にたまって副作用が出るためにパッチをはっての喫煙は厳禁です)。飲み薬はタバコのニコチンが脳に作用するのをブロックするため、薬をのんだ状態でタバコを吸うとタバコがまずいという味になってしまうと言われています(個人差がありますが)。タバコを吸ってもおいしくないという状態を続けていくうちに、いつの間にかタバコをやめられるようになるという薬なのです。私のクリニックでも早速始めましたが、早々に効果が出ており、薬による禁煙率は75%に達しています。薬の名前はチャンピックス。1日2回を3ヶ月間のみ続けます。保険診療できますので、毎月のタバコ代の費用とほぼ同じぐらいしかかかりません。禁煙できれば煙臭い環境とおさらばして健康を保てますし、今までタバコ代として消えていたお金を自分の趣味や旅行に使えるようになります。タバコの害を知っていながらも吸い続けている方、少しでもタバコをやめようと考えている方、あるいは今まで禁煙にトライしたことがある方、是非ともこの薬で禁煙効果を実感して下さい。


7月18日 熱中症

いよいよ猛暑が始まりました。昨年も熊谷市で40.9度まで上がり全国で猛暑が続きました。猛暑といえば熱中症です。アスファルトの道路が増えるなどのヒートアイランド化の影響で1994年から急増しており、暑さに弱い高齢人口の増加で特にお年寄りに多く発生しています。乳幼児では車の中に放置されるなどの事故、若年者ではほとんどがスポーツでおこり、成人では工事現場などの仕事中やスポーツでおこることが多いようです。症状としてはめまい・立ちくらみなどの軽いものから、足・腹筋のけいれんや、頭痛・吐き気・判断力低下などの中くらいの病状のもの、さらに呼びかけても返事がない意識障害や過呼吸をおこす重症の熱射病まで様々です。梅雨明けの蒸し暑い日など、まだ体が暑さに適応できていない時期はおこりやすいものです。まずは予防が大切です。炎天下や暑い室内に長時間さらされないようにする。水分を適切に補給する。かさや帽子で直射日光を避ける、こまめに日陰で休むなど気をつけます。大量に汗をかく場合には塩分補給も重要です。熱中症にかかったら適切な処置をしないと命にかかわります。まずは次のような応急処置をします。

・涼しい場所へ運んで休ませる(風通しの良い日陰やクーラーの効いた室内など、本人が楽な姿勢で)
・ 水分補給(吐き気がない場合、少しずつ何回にも分けて) ・ 塩分も補給(水1リットルに塩1~2gをまぜた0.1~0.2%の食塩水または塩分を含むスポーツドリンクで)
・体を冷やす(顔や体にぬれタオルをあてたり水をかける、うちわなどであおいで風を送る、氷やアイスパックで冷やす)
・筋肉のけいれんではマッサージ 応急処置で回復しない場合や最初から病状が重い場合にはいち早く医療機関に運ぶことが必要です。

救急車を呼ぶこともありますが、その間も応急処置を続けます。医療機関ではすぐに点滴をすることになりますが、大部分はそれだけで回復します。私は暑い日中でもランニングをしたりしますが、自分が倒れないように十分に注意はしています。


2008年6月のコラム


6月29日 毛虫皮膚炎

蚊やダニによる虫刺されと違って、服から露出した首・肩~腕・足の広い範囲に出てものすごく痒い発疹が6月初めから見られるようになりました。先日は市内の小学校のプール授業で多数の生徒がかかり、お尻や足の裏まで真赤なブツブツができて来院しました。原因はチャドクガなどの幼虫です。他にアメリカシロヒトリなどもいます。毛虫の毒針毛は1匹に数十万本あり、その毛が抜けて皮膚にささって症状をおこすのです。すぐに症状が出ないで1~2日たってから気がつくこともあります。軽いものは軟膏のみで治りますが、ひどい場合は飲み薬も必要になります。ツバキや桜に毛虫はつきやすいので近づかないようにすることと、万が一に触ってしまったら初期治療(粘着テープで毒針毛をとりせっけんで皮膚を洗い流す)をして早めに治療を受けることをおすすめします。テニスクラブは花木が多く「緑」が自慢のようですが、ボールがやぶに入ってもむやみに取りに行かないように。虫がいないかよく確認を。毛虫にやられたら当分テニスができなくなりますよ。